岐阜支部 令和6年度 研修会の報告
開催日 : 令和6年10月17日(木)
参加者 : 18名
内 容 : かつては東海道の難所であった大井川に架橋され現在も機能する土木遺産「大井川橋」や「蓬莱橋」を視察し、以前は
鉄道交通を支えた蒸気機関車を体験して、科学技術の発展等を感じつつ、会員相互の交流・懇親を深めた。
はじめに
昨年に引き続き、今年も「土木遺産」の視察を含めた研修を企画し、昭和39~59年卒の会員とその同伴者を合わせた18人が参加しました。
車中では、はじめに各務支部長があいさつし、続いて幹事から行程の説明や研修先の紹介を行い、一路、静岡県島田市へ向かいました。
1.蓬莱橋 視察
最初の視察地である蓬莱橋は、全長897.4mの木造歩道橋で、現在も農道として利用されています。1997年に「世界一長い木造歩道橋」としてギネスブックに認定されました。
長い木(ながいき=長生き)の橋、897.4mの語呂合わせで「やくなし=厄無し」となることから、縁起のいい橋として人気があります。
交通渋滞などで十分な時間は取れませんでしたが、可能な範囲で橋を体験していただきました。
2.島田市博物館 見学
江戸時代、東海道を旅する旅人は川越人足を雇って,彼らの肩車に乗るか,れん台という板に乗るかしなければ大井川を渡れなかったこともあって、島田宿では川留め文化が発展しました。
島田市博物館の見学を通して、この地域の文化に触れることができました。
3.土木遺産 大井川橋 車中より視察
大井川橋は、大井川に架けられたプラットトラスという構造型式の17連のトラス橋です。長さは1,026.4mあり、「上下部工ともに当初の優れた姿をよく残し、戦前では同形式として最大級の道路橋」ということで土木遺産に選奨されました。
車中からの視察となりましたので、古い鋼製橋梁の特徴であるリベット接合などについて、事前に車内で紹介してから見ていただきました。
美しい景観もさることながら、時代とともに車両が大型化する中で、昭和3年に竣工して100年近く経過したこの大きな橋が、いまでも現役で機能していることに、改めて素晴らしいと感じました。
4.蒸気機関車の乗車とロコ・ミュージアム見学
昼食を済ませて新金谷駅に向かい、古いSLや駅舎を展示するロコミュージアムなどを見学してから、蒸気機関車に乗りました。大井川鉄道で一番古い昭和5年製の「C10形8号機」という機関車に引かれましたが、独特なにおいと音、昔懐かしい客席、手動のドアなどに囲まれて、ノスタルジックな時間と空間を体験することができました。
SL車内の風景
おわりに
今春の講演会で「鉄道の歴史とリニア中央新幹線」と題したお話を伺い、交通ネットワークや高速輸送の需要拡大について学びました。今回の研修では、公共交通を支えてきた施設を視察しましたが、新たに開通するリニア中央新幹線はどんな感じなのか、期待が膨らんできます。
最後になりますが、参加者各位のご協力のおかげで、無事に終えられましたことに、感謝申し上げます。
記:岐阜支部幹事 岩田靖(C59)
蓬莱橋の前にて
岐阜支部 令和6年度 総会及び講演会の報告
(一社)名古屋工業会 岐阜支部では、令和6年5月11日(土)に、岐阜駅前のホテルリソル岐阜において、会員38名が参加して、令和6年度の総会と講演会を開催しました。
令和6年度総会
総会は、(一社)名古屋工業会本部より横山理事長を来賓にお迎えして開催しました。
開会のあいさつでは、各務支部長がこの1年を振り返り、新型コロナウイルスが5類に移行して、4年ぶりにすべての行事を行うことができたことや、能登半島地震に対する名古屋工業大学の北川教授の支援活動の紹介、さらに本日の議題などについて説明がありました。
各務支部長による開会あいさつ
ご来賓の工業会本部の横山理事長のごあいさつでは、母校の状況として、学生の約8割が修士課程に進んでいることなどもご紹介いただき、時代の変化を感じさせられました。
横山理事長による来賓ごあいさつ
議事については、令和5年度の事業報告や収支決算、令和6年度の事業計画や収支予算案、さらに支部会則等の変更についての審議が行われ、すべての議題で承認が得られました。
講 演 会
総会に先立ち、JR東海でリニア開発にも携わられたシーエヌ建設㈱代表取締役社長の山口義久様(C54)を講師にお迎えして、「鉄道の歴史とリニアの現状」と題してご講演いただきました。
鉄道の変遷、高速輸送の必要性、東海道新幹線についてはTGVとの動力方式の違いなども交えてお話しいただきました。一方で、開業して半世紀以上が経つことから大規模な改修も見据えて、リニア中央新幹線により三大都市圏を高速かつ安全に結ぶ大動脈を二重系化して、巨大地震などの災害リスクに備えるといった整備の意義や、有人走行で時速603㎞のギネス記録を持つ車両の概要、現在の事業状況などについて、ご説明いただきました。
ご講演中の山口講師
おわりに
総会後には懇親会を開き、親交を深め飲食を楽しんでいただきました。
岐阜支部総会 集合写真
この日ご承認いただいた事業計画に基づき、引き続き支部活動を展開してまいりますので、会員の皆様のご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。
岐阜支部 令和5年度 研修会の報告
開催日 : 令和5年10月22日(日)
参加者 : 22名
内 容 : 工学的、社会的に貴重な土木遺産の琵琶湖疏水と、これに隣接した三井寺や南禅寺を視察し、先人技術者のなした業や日本の文化に触れつつ、参加者の懇親を深めた。
はじめに
今年度よりC科が事務局がとなり、今回は「土木遺産」を視察する研修を企画しました。
3箇所を巡るため、早めの集合となりましたが、昭和31年卒から平成10年卒までの会員とその同伴者を合わせた22人が参加しました。
車中では、はじめに各務支部長があいさつし、続いて幹事から行程の説明や研修先の紹介を行い、一路、滋賀県大津市へ向かいました。
1.三井寺 視察
最初の視察地である三井寺は、1200年余の歴史を持つ、天台寺門宗の総本山です。
荘厳さが漂う中、起伏の多い通路を1時間余り歩き、国宝の金堂や、天智・天武・持統天皇の産湯に用いられたという三井の霊泉などの重要文化財、さらに西国三十三所観音霊場の第十四番札所を、熱心に視察しました。
2.土木遺産 琵琶湖疏水 視察
令和3年度選奨の土木遺産「琵琶湖疏水の(第1、第2、分線ほか)」のうち、第1疏水の大津から蹴上に至る区間を、船や徒歩で視察しました。
琵琶湖疏水は、明治の東京遷都によって人口が減少し産業が衰えた京都の復興に向けた大事業で、灌漑、水車動力、舟運、防火用水、上水道等の目的で建設が計画されました。また、この工事の主任技師には、工部大学校(現在の東京大学工学部の前身)を卒業したての田邉朔郎氏(当時21歳)が抜擢されました。
工事が人力中心の時代に、長さ2,436mのトンネルという難関があり、このような工事を経験した技術者等がいない中で、初めて竪坑を利用したトンネル掘削工法を採用するなどの技術的な工夫を行い、仕事の後には技術者を養成するなどの努力があったと伝えられています。
また、水車の動力に用いる計画を水力発電に変更する決断により、中小工場の機械化が大いに進み、日本初となる電気鉄道の営業もスタートするなど、京都の経済や産業などの発展と人々の生活文化の向上に大きく貢献したということです。
全体として西洋風の意匠が採用された歴史を感じる各施設は、こうした建設への取組や土木施設が社会に果たしてきた役割などを考えると、また一層の見ごたえを感じられました。
3.南禅寺 視察
琵琶湖疏水のインクラインを歩いた後、最後に散策した南禅寺は、1291年に開かれた臨済宗南禅寺派のお寺です。
入り口近くには重要文化財の三門が、奥へ進むと、赤煉瓦のアーチを思わせるような水路橋の水路閣、国宝の方丈などがあり、多くの観光客でにぎわう中、限られた時間ではありますが、散策できました。
おわりに
天候にも恵まれ、参加者各位のご協力のおかげで、かなりの距離と時間を歩く研修も、無事に終えられました。
記:岐阜支部幹事 岩田靖(C59)
岐阜支部 令和5年度総会報告
(一社)名古屋工業会岐阜支部の令和5年度総会及び懇親会を、令和5年5月13日(土)午後5時
から岐阜駅前のホテルリソル岐阜に於いて、会員25名の出席にて開催しました。
新型コロナで3年間中止していましたが、本年度は開催致しました。総会前、午後4時か
ら支部活性化事業の一つとして講演会を行い、今年度は、C54の浅野一郎氏にお願いし
「Wonderful HOKKAIDO」 北海道の魅力と題して、ご講演いただきました。
北海道の魅力をYouTubeの動画を用いて、道央、道北、道南、十勝、オホーツク、釧路・
根室の観光地の紹介から始まり、更に、食や花、各地の祭りなどテーマごとの説明がありま
した。北海道のい いところが存分に楽しめた、有意義な講演会でした。
一旦休憩した後、令和5年度岐阜支部総会を開催しました。最初に大久保支部長(Es44)より
開会挨拶の後、来賓の名古屋工業会浅井慶一郎副理事長に挨拶をしていただきました。浅井副
理事長からは名古屋工業会の現状や大学への協力などについてお話をいただきました。その後、
令和4年度の事業報告、令和5年度の事業計画、役員改選等の議案を上程し、滞りなく議決して
いただき、議事を終了しました。役員改選によりC53各務剛児氏の挨拶があり総会を閉じまし
た。
総会終了後に、参加者全員で集合写真を撮影し、懇親会を行いました。今回の参加者は例年
より少ない25名でしたが、更に会員増強のため今後の活性化に取り組んでいく所存です。
記:岐阜支部代表幹事 糸見義雄(E51)